十九番九本
最近やっと残暑も落ち着いてきて、過ごしやすくなりましたね。と、思いきやいゲリラ豪雨や台風で天気が荒れ模様ですね。
お箏屋さんが楽器のメンテナンスにいらっしゃいました。比河流先生のメイン楽器の糸締めをしに来られたという事で、少しお話を伺ってみることにしました。
まず糸の太さですが19番という太さだそうです。私は18番という太さを使っていますが、この1番の違いはかなり大きな壁であります。男性の力を以てして操れる太さでしょうか。とは言っても一恵先生もこの19番で演奏されてます。
締め具合は19番糸での9本締めだそうで、これまたかなり強く締めています。たとえてみると、もう「糸」というよりは「板」みたいな感触です。比河流先生の注文は「強くしなやかに締めてね」だそうです。
ようやく締め終わるとお箏屋さんは締めたばかりの糸を外し始めました。聞いてみると、比河流先生の19番の新糸の時は2度締めをしてるそうです。太い分伸びやすいのと、注文の「しなやか」に応えるためだそうです。2度締めとなると2面分の労力ですね?と訪ねると、「いえ、太さと強さがあるのでそれ以上です」と苦笑いされてました。
忠夫先生が好んで使ってらっしゃたという19番の糸。現在は箏曲界全体の中で、比河流先生と一恵先生からしか注文がこないとか。。。
ちなみにこの比河流先生のメイン楽器の名前は「アルカディア」だそうですが、みんなには「ドクロ」と呼ばれているそうです。